上司と部下の“キャリア対話”に空白か?キャリア自律ブームの裏で、約半数が「将来を話す機会がない」と回答 『lotsful』が令和のキャリアコミュニケーションの実態を調査
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのパーソルイノベーション株式会社 lotsful Company(本社:東京都港区、lotsful Company代表:田中 みどり)が運営する副業人材マッチングサービス『lotsful(ロッツフル)』( https://lotsful.jp/ )は、20~40代の会社員を対象に、キャリア自律と上司と部下のコミュニケーションに関する実態調査を実施し、本日調査結果を公開しました。

調査結果
・コロナ禍を経ても「コミュニケーション頻度は変わらない」が最多。一方で、フルリモート勤務者では増加傾向も
今回の調査では、管理職247名、非管理職368名にアンケートを実施しました。回答者全体にコロナ禍以降の上司と部下の1on1などのコミュニケーション頻度の変化について尋ねたところ、「特に変わっていない」(43.6%)が最多となり、コロナ禍を経ても対話頻度に大きな変化は見られませんでした。
一方で、「やや増えた」(19.7%)と回答した人の多くはフルリモート勤務者であり、リモート環境下でもチームの一体感を保つために、意識的にコミュニケーションを増やす動きが広がっていることが分かりました。コロナ禍をきっかけにオンライン1on1や定期面談などの新しい仕組みが浸透したことで、「距離があるからこそ、つながりを意識的に築くマネジメント」へと進化している様子がうかがえます。

・会話の中心は「業務」と「評価」。半数が“キャリアを語る機会なし”、上司との対話がキャリア形成に影響しづらい現状も
上司と部下の間で直近1年に最も多く交わされた会話テーマを尋ねたところ、「業務進捗・タスク管理(27.8%)」や「人事評価・目標設定(25.5%)」が上位となり、「特にない/覚えていない(31.2%)」を除くと、日常のコミュニケーションの多くが“業務中心”であることが分かりました。

また、上司側に、部下のキャリア支援として行っていることを尋ねたところ、「評価や目標設定に基づいたアドバイス(36.4%)」や「定期的なキャリア面談(34.0%)」が多く、人事制度に基づくフォーマルな場での支援にとどまる傾向が見られました。

一方、部下側に、上司とのコミュニケーションでキャリアや将来について話す機会はどの程度あるかを尋ねたところ、「全くない(26.9%)」、「ほとんどない(23.4%)」と回答した人が過半数の50.3%を占め、“キャリアにおける対話に空白”が存在することが明らかになりました。また、上司とのコミュニケーションが自身のキャリアに与える影響についても、「キャリア選択にはあまり影響していない」と答えた人が52.7%で最多となり、業務上の報告や評価のやり取りはあっても、キャリアの方向性や将来像を共に考える“対話の場”が不足しており、上司の関与がキャリア形成に十分に活かされていない実態が浮き彫りとなりました。


・上司は「本音を引き出せない」、部下は「話す機会がない」。キャリア対話に“本音の壁”
キャリアに関するコミュニケーションで難しさを感じる点を尋ねたところ、上司の回答では「部下の本音を引き出しづらい(35.6%)」が最多となり、次いで「世代間・価値観のギャップ(31.6%)」が挙げられました。
一方、部下側に、上司とのキャリアに関する会話で難しさを感じる点を尋ねたところ、「キャリアについて会話する機会がない(39.9%)」が最も多く、「本音を言うと評価に影響しそう(17.9%)」と答えた人も一定数見られました。
この結果から、上司と部下の間にはコミュニケーション機会が不足しているだけではなく、“話したくても話せない”“聞きたくても聞けない”というギャップが存在し、キャリア対話が十分に機能していない実態が浮き彫りになりました。


・副業への関心は高い一方で実践は限定的。“キャリア自律”にはプレッシャーを感じる層も
副業や社外活動をキャリア形成にどう位置づけているかを尋ねたところ、「特に必要性を感じない(38.2%)」が最多となり、次いで「興味はあるが実践していない(31.4%)」が続き、関心は高いものの実践には至っていない層が多い結果となりました。
年代別で見ると、20代が最も副業や社外活動をキャリアにおいて重視しており、なかでも20代男性は「積極的に活用している」が40.6%と高く、他世代を大きく上回りました。一方で20代女性は「興味はあるが実践していない」が41.7%と最も多く、
関心は強いものの、環境面や制度面の制約が行動の壁になっている様子がうかがえます。

また、「キャリア自律」という言葉をどう受け止めていかを尋ねたところ、全体では、「あまり関心がない(32.5%)」、「重要だがプレッシャーを感じる(24.4%)」が上位を占め、約6割が必要性を認識しつつも負担感を抱えていることが分かりました。
さらに、副業・社外活動を積極的に行っている層の57.6%が「キャリア自律を自分にも取り入れたい」と回答しており、社外経験がキャリア意識を高める可能性が示唆されました。

・理想の関係は“信頼できる距離感”。キャリア支援には干渉よりも心理的安全性を重視する傾向
今後、上司と部下のキャリアに関するコミュニケーションがどうあってほしいかを尋ねたところ、全体では、「過度に干渉せず、求められた時だけサポートしてほしい(24.1%)」が最も多く、次いで「必要な時に安心して相談できる心理的安全性を高めてほしい(22.0%)」が続きました。年代・性別で見ると傾向に差があり、20代男性は「定期的な1on1でもっと話したい(37.5%)」が最多、20代女性は「価値観や人生設計についても相談できる関係を望む(21.7%)」が最多となり、若年層では積極的な対話や共感を求める声が目立ちました。さらに40代では男女とも「過度に干渉せず必要な時にだけサポートしてほしい(男性29.7%、女性24.7%)」が最多となり、年代が上がるほど、適度な距離感を保ちながら支援してほしいという意識が強いことが分かりました。これらの結果から、キャリア支援においては“距離の近さ”よりも“信頼できる距離感”が重要であり、一方的な管理ではなく、必要な時に安心して相談できる“支援型マネジメント”が求められていることがうかがえます。

調査概要
調査手法:インターネット調査(Fastask)
調査対象:全国の企業に勤める会社員 20~40代の男女
調査期間:2025年10月2日(木)~10月3日(金)
対象人数:660人
lotsful Company代表 田中 みどり コメント

今回の調査では、上司と部下の間で“キャリアを語る機会”が減少し、コミュニケーションが業務中心に偏っている現状が明らかになりました。また、“話したくても話せない部下”と“聞きたくても引き出せない上司”の間に、キャリア対話のギャップが存在していることも分かりました。
副業や社外活動を経験している人ほどキャリアオーナーシップへの意識が高い傾向が見られ、社外の新しい視点や刺激が個人のキャリア形成に良い影響を与えていることが示唆されていましたが、副業や社外活動に主体的に取り組み、キャリアの選択肢を広げる社員にとっても、会社や上司による支援は重要です。これからのマネジメントに求められるのは、管理や評価ではなく、個人のキャリアを「見守り、支える力」だと考えています。『lotsful』では、副業機会の提供だけにとどまらず、社員一人ひとりのキャリア自律や、部門を超えたキャリアコミュニケーションを促進する体制づくりも支援して参ります。
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パーソルイノベーション株式会社について
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パーソルイノベーション株式会社は、パーソルグループの次世代の柱となる事業創造を目的として、2019年4月に事業を開始しました。人材紹介分野では、若年層・未経験を中心としたエッセンシャルワーク領域の人材紹介サービス『ピタテン』、採用管理・マーケティングツールを提供する『HITO-Link(ヒトリンク)』を展開しており、人材育成関連分野では、企業のDX組織構築の支援サービスを提供する『TECH PLAY』(テックプレイ)、リスキリング支援サービス『Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)』や、コミック教材を活用した研修サービス『コミックラーニング』、副業マッチングサービス『lotsful(ロッツフル)』などを運営しています。また、新たな事業開発やデジタルトランスフォーメーションを通じて、パーソルグループのイノベーションを加速していくことを目指しています。
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